甘やかすのは俺だけでいい

ウキツ×アキ

「よ、どうだ?品評会の準備は進んでるか?」

「ウキツさん、いらっしゃい。まあまあ、ですね。」

「なんの種類で出すんだ?」

「ああ、それはもう決めました。ナイフでいこうかと。」

「へえ・・・いい武器できたら俺にも作ってくれよ。」

自分の専門の武器で勝負すると明言したアキにウキツは機嫌を良くする。

わしわしっと頭を撫でられる。

暖かい手だ、不器用な優しさが伝わってくる



ウキツは最近アキに優しい、それは多分自分のことを認めてくれたからだろう。

ハヤノにもそうだが、ウキツは一度懐に入れた人間には凄く優しい。

アキはウキツに受け入れられた自分が凄く嬉しかった。

思わず、顔が綻ぶ

「何だ・・急に?」

いきなり笑うアキにウキツは不審そうにする。



それと同時に撫でていた手が離れる。

(あ・・・・。)

アキは手が離れた瞬間、顔を上げ寂しそうな顔でウキツを見る

「な、んで・・んな顔で見るんだよ?」

「私・・・ウキツさんに頭撫でられるの好きなんです。」

「・・・・ああ、ったく、しゃあねえな。」



随分と懐かれたものだ。

最初はあんなに怯えていたのに

愛しさが込み上げてきて、頭を抱き寄せてやる。

「わ、わわっ・・・。」

体勢を崩したアキはウキツの胸に飛び込む形となるが、嬉しそうに笑ってウキツの服を掴み

ぎゅっとしがみ付く。

「ほんとに、仕方ねえ奴・・・。」

口ではそういうものの、内心嬉しくて仕方がない



「ふふ、仕方ないですか。でも、嬉しいです。仕方ないと言いつつもこうやって

頭を抱き寄せてくれるのですから。」

「そりゃよかった。てかアキ、服掴むな、しわになる。」

「あ、ゴメンなさい。つい。」

指摘され名残惜しそうに離れる



「別に逃げねえからさ、心配すんな。」

「はい、わかってます。でも、もう少しだけこうやってくっついていていいですか?」

服を離すかわりに腕をしっかり背中に回され、その胸に頭をぴたっとくっつける。

「っ・・・、おい、ったくコレだから鈍感は。」

言葉こそぶっきらぼうだが、耳まで真っ赤にしてしていては可愛いほかない。

ウキツは諦めたような顔でアキを見る

「おい、アキ。」

「・・?何ですか?」

「・・・・・・・こんなこと、シンとかに絶対すんなよ。」



こうやってアキを甘やかすのは俺だけでいい



postscript
MISTIRIAの久遠さんへお誕生日祝いに送りつけたSSのお礼としていただきました。管理人同様萌えもだえた方は久遠さんのサイトで拍手をめいっぱい叩いてきてください^^
ありがとうございました!