暗い箱の中で

5日間はデカいな。しかも、日数が限られてるって分かった矢先にこれだ。そういや、ハヤノには偶然会ったし、勿論警備隊の人間はオレがどーなったか知ってるからいいとして。アキの店にも顔だしといた方が良かったかね?ま、こんなとこ、とっとと入って出た方がいーだろ?今さら考えたってしょーがねーしな。

アキと言えば、……あれだ。どうしてあんな事したかなんて、オレにだってわかんねーよ。ど、どうして、だ、抱きしめたりしたのか、なんて。

ただ、アキには今までキツイ事言ったりもしたけど、アキはその度にちゃんと考えて、反発しても受け止めてきた。オレからも逃げるどころか、どんどん踏み込んでくる気がするし。何だか知らねーけど、オレもあれこれ自分の事話しちまってるし。あそこで会ったのも、単なる偶然とは思えないっつーか……いや偶然か。

落ち着くかと思ったんだよな。ま、確かに結果的にも落ち着きはしたしな。でも、あいつの体温を感じたら急に抑えがきかなくなって、気持ちが表にでちまって……。鍵を使ったらって話。言いはしなかったけど、それだけだ。ほとんど吐き出しちまった。あれじゃ知らないからわかんねーってだけで、言っちまったようなもんだよな。全く。

……あいつ、困っただろーな。けど、アキは何も文句言わないでオレの腕を撫でてさ。あんな小せぇ肩してんのに。……泣いてなんかねーよ。泣いてなんかねーって。まさか見えてた……ワケねーよな。あんなひどい状態、誰にも見せられねーっつーの。
マジで。

ちと明るくなってきた気がすっけど、もう朝かね。それともまだ夜か?酒どころか何にもねーし。嫌でも色々考えちまう。……こりゃ頭の整理ができそーだ。



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